jidoriblog 福井晴敏作品の地どり、映画感想、日々の雑感等、雑多なものを広く浅く…。

『一読一会』 福井さんインタビュー

11.06.2005 · Posted in 日本沈没, 福井晴敏
一読一会:中高校生が読書の楽しさ考える

中高校生が読書の楽しさなどについて考える「一読一会(いちどくいちえ)」(毎日新聞社、全国学校図書館協議会など主催)が5日、日本科学未来館(東京都江東区)で開かれ、約150人が参加した。中高生自身が司会を務めるなど運営にたずさわり、昨年に次いで2回目。

この『一読一会』というイベントは、中高生が主体となって行われていて、実行委員も中高生でした。
なので、勿論、福井さんへのインタビュアも中学生と高校生の女の子2人。
うわ~…、そんな事、聞いちゃうの?とびっくりするような事も堂々と聞いていて、中々面白かったです。
下のエントリに上げた、ロディアの13番を16枚分メモを取ってきましたが、例によって判読不能部分が多くて。(苦笑)
判る部分だけ書いておきます。

なおオフィシャルによると、12月3日にも札幌でこのイベントあるようですね。

インタビュアの発言はイタリック、福井さんの言葉をそのまま書いた部分は「」でくくりました。
カッコ内は私の補足です。

このイベントについてどう思われましたか?
・「すごいざっくりした質問ですね。(笑)」
・中高のときは活字が読めなかったので、こういう集まりは俺にとっては尊敬に値します。
 「いまのところ、笑うとこなんですけど」(と、リアクションのないインタビュアに言うと)
 「さっそく笑わせていただきます」(…大爆笑)
・これって犯罪者になんでこんなに犯罪が多いのかと聞くのと同じだが、胸に手を当てて考えてみると中高の時にビジュアル社会に入っていた。
ライトノベルが入り口となっていて、映像等受け手が受身でいていいものが増えてきていた。
本は能動的であることを要求するから、映像とは違ってそんなに大変なものなんだからそっちで何とかしてからこっちへ持ってきてよ、という感じだった。
・今は映像もゲームもかなりレベルが高くなり、本は立場を脅かされている。


◎子供のときは本を読まなかったんですか?

・感想文を書かないといけなかったので、課題図書は読んだ振りをして感想文を書いた。
・課題図書以外の本の感想文も書かなくてはいけないときは、架空の本をでっち上げて書いた。(笑)

◎漫画やアニメが好きだったんですか?
・本を読むとっかかりがガンダムだった。
 生々しく大人の話で、中高生が読むものじゃないような原作者が書いた小説版は文章でも緩急を出すことが出来、映像の刺激に近くてカッコいいと思った。
・児童文学は子供向けに易しく書いているのが頭にきていた。
大人が真剣に伝えようとすると、子供は判らなくても聞く姿勢をみせるものだ。
・描写として容赦がない。文章で読み手の想像にゆだねる。
・栄養としてはじめて受け取れたのがガンダム。
・小説家で好きなのは、25、6になって読んだ高村薫。カッコよくてつやのある人の心に残る文章。
どうやったらまねられるだろうと思っていた。

◎なぜ作家に?
・長く座っている時間が必要だけど、丁度バブルで会社がなくなって警備業についた。ただいればいいという美味しい仕事だったが、想像を絶するほど暇。3ヶ月くらいは給料を上げるための資格を取ることに使ったが、後はやることがなくて、このままでは馬鹿になるかもと思った。
・人間追い詰められると本質と向き合うようになる。
・で、「月刊福井晴敏」みたいな感じで、5000枚の大長編を書いて、会社の人に見せた。
「今にしてみれば、残酷なことをしました」(笑)(7人しかチームにいなくて、しかも福井さんは副隊長だったそうです。ダメだしは出っこないと…。)終わってみんなが喜んだ。(笑)
・出版社に持ち込もうと思ったけれど、小説は持ち込み禁止。
なら新人賞を取らなくては。←思い悩んだりしたのではなく、反射行動としてそういう結論に。

◎作家になってからの本の魅力とは?
・作家になって思ったのは、本ってこんなに売れないのか、という事。
・少し前までは5万部売れればヒットといわれたが、今は1万に下がっている。
・これはやばい。
・でも大ヒットというものがある。素晴らしい本が口コミで広がっていくのは奇跡に近いが、これをこっちから仕掛ける。
・イージスはこういう意味の奇跡だったが、それでもハードカバーは10万部ほど。
・ヒットの指数を上げなくてはいけない!それには映像化が一番。
文学賞を取るより、映像化の方が目立つ。←映像になるほど面白い本なんだなと思って手にとってもらえる。
・映像になるなら、自分でも動こうと思った。
そうすると出版社も動かざるを得ない。出版社の営業も映画のチームへ。
出版社の人たちは、映画と違って100万人を相手にする仕事はしていない。10万部でヒットと喜んでいたら、10年後にはこの市場がなくなってしまう。そこへ映画という違う世界を見せることで、刺激を与えたい。
・読書は能動的だから、つまらない本を読むとつまらない映画の50倍はショックを受ける。もう読むもんかという事になってしまう。

◎戦争や自衛隊にこだわっているのは?
・外国の映画賞取った映画と、アルマゲドンが並んでいたらどちらを見るか?CMとか見ても判るが、派手な見せ場が必要。
・自衛隊を使うと、説明が多くなって鬱陶しかった。イージスはそれを武器にして書いた。
・映画化が決まった時、考えたのは商売のこと。
芸術と対極にあるし嫌われていた言葉だと思うが、小説とは儲かるものだと知らしめる必要があったので、ただ働きが多かった。
・以前、角川映画がやっていたようなタイアップがあったが、あれで角川が火の車になり、出版社は及び腰だった。こういう状況だったので、のるかそるかにかけないと無理だった。
・ローレライは今までの講談社としては、ありえなかった体制をとった。

◎映画化で作家の仕事は?
・全部に参加した。打ち合わせにかけた時間は1000から2000時間。
この時間を使えば1、2冊本がかけたと思う。

◎映画をみてどうだったか?
・全人生、運命がかかっていたので、出来上がってみても映画として見られない。

◎よかったシーンは?
・爆発は言葉より映像だと思う。

◎役者からの意見は?
・特にイージスは役者の一人一人に意見があった。渥美と瀬戸のタバコを吸いながらのシーンはアドリブだった。ざっくりとして台本はあったけれど、日頃思っていることを出してくれと。

◎映画の悪いところは?
・戦国自衛隊1549では、原作がまだ出来上がっておらず、プロットの段階だった。原作はバイブルとなるべきものなのにないままだったので、現場には苦労をかけた。
・映画と本が一緒にでるのは一見理想的だが、失うものもある。

◎注目しているものは?
・昔の角川映画のCMのやり方。サブリミナルのようで、見に行かないと日本人じゃなくなるような。
ああいうやり方を考えてみたい。

◎漫画化について。
・描き手に任せられる体制作りが必要。作者のパワーを引き出さないと。
・漫画家は新人の中から力のある人を推薦してもらって選んだ。
・漫画は週刊ベースだし、人気投票とかがあり、話をはしょるのが難しい。週一回見せ場を作らなくちゃいけないとか、クリアしなくてはならないものが多かった。
・(原作があるからといって)消化試合ではなく、これから仕掛けてみたいと思う人を組むのが必要。

◎これからの予定?
・2月にOp.ローズダスト。
今、クライマックスシーンを書いている。お台場が出てくるので、実地で取材が出来た。
・アニメ。テレビシリーズを1から立ち上げる。
・ガンダムの新作。原作を書いた後、アニメ化する?

◎面白い本があるか?
・「俺の本は面白いよ」(笑)
それを読んだ後で、高村薫の新刊は?
あれは極北(でいいのかな、ちゃんと聞き取れませんでした)のものだから、あれを読めたら怖いものはない。

◎映像では?
・樋口監督の『日本沈没』
・2カット、出演している。和久井映見と演技のからみあり。
・最後に、「福井晴敏(新人)」と出ると思う。(新人ですか?(笑))

こんな感じでした。
すみません、いつもわかりづらくて。

本や雑誌では見ていた事もありましたが、実際に伺ってみるとこのように考えていらっしゃったんだなと頷けるところが多かったです。

この先の予定ですが、ガンダムAでの連載とは別にアニメのことを仰っていたのが気になります。
あと、勿論新人俳優、福井晴敏氏も。(笑)

このイベントについての報告記事は明日の毎日新聞に、23日には詳しいものが載るそうです。


11 Responses to “『一読一会』 福井さんインタビュー”

  1. はじめまして!
    初めてコメントさせていただきます。

    一読一会お疲れ様でした!
    私も参加者として、福井先生のファンとして楽しんできました!!

    高村薫さんの本は極北とのコメントですよ~。
    上下巻で福井せんせいが読むのも躊躇ったみたいなコメントでしたよね。

    では良く分からないコメントですが失礼します。

  2. つるこ says:

    >由紗 さん
    こんにちは、ようこそいらっしゃいませ。
    極北であってましたか。よかったです~。
    ありがとうございます。

    私も買おうと思いつつ、実は前作の「晴子情歌」を読んでいないので(苦笑)、買うのをためらっております。
    由紗さんは読まれましたか?

    もしかして由紗さん、最後にコメントなさった委員長さんでいらっしゃいますか?
    お話とてもお上手で面白かったと子供と後で話しておりましたよ。

    よろしければまたお遊びにいらしてくださいね。

  3. >つるこさま
    私は帰りがけに高村さんの本を眺めるだけ眺めてきたんですがあまりの長さに戸惑ってしまって、イージスを読み直してから気合いを入れてよもうかとおもいます。

    実はさいごに一般からコメントした人間です(恥)
    面白かったといっていただけたらこれ幸いと小躍りしてよろこびます(笑)

  4. つるこ says:

    >由紗さん
    確かに長いですよね。まあ、好きな作家の作品は長ければ長いほど幸せなものですが…。
    うちは福井さん以外のハードカバーは駐車券を貰いたい時に買うので(笑)、どっちにしろまだその機会がないのです。
    私も再来週の映画祭りに備えて、ローレライでも読み直そうかしら。

    やっぱりそうだったんですね!<コメント
    委員長さん、これからも読書人口を増やすべく頑張ってくださいね~!

  5. こんにちは、つるこさん。
    一読一会レポート読ませていただきました。いつもながら丁寧なレポートをありがとうございます!
    中高生の皆さんの率直な質問の内容から、改めて福井さんの作品に対する考えが見えてきて良かったです。面白い本はと聞かれて自分の本を答えるその姿が思い浮かんで思わずニヤリとしてしまいました(笑)
    それにしても、気になる今後の予定がたくさんですね。もう振り回されつづけます。来年も私的に福井さん年です。

    ところで、うちにある肉を食すカピバラアイコンですが、ありがたいコメントいただけて嬉しかったので宜しければ貰ってやってください。
    次は何を作ろうかしら(笑)

    それでは失礼します。

  6. 先週はお疲れ様でした!(遅っ)
    私も先ほど、ようやくレポートをUPしたのですが、いかんせん内容が…。同じところで同じものを見て聞いていたのにどうしてこんなに違うのでしょうか(泣)。

    ところで、あの後行ったお店は“地鶏”の店でした(笑)。とっても美味しかったので、今度ご一緒しましょう。

  7. つるこ says:

    >犬神 涼さん
    こんばんは、犬神さん。
    いつもご覧くださってありがとうございます。
    ちょっとでも楽しんでいただければ幸いです~。
    やはり対象が中高生だったせいでしょうか、別にいつもの福井さんの話がわかりづらい訳では全然ないのですが、とてもわかり易く楽しかったです。

    そうなんですよね~、福井イヤーも終わりかと思っていたのに、まだまだですもの。
    来年はローズダストにガンダムと大きなのが2つも控えていますし、気が抜けません。(笑)

    で、F式カピパラアイコン、嬉しくって拍手のボタンに使わせていただいちゃいました~!
    って、思いっきり事後報告ですがよろしかったでしょうか?
    次作を拝見するのも楽しみにしておりますよ!

  8. つるこ says:

    >よしきさん
    お疲れ様でした、お台場もその後も。(笑)

    レポート拝見しました。
    そんなに違わないわよ。うちのと足して2で割っていただきたい感じです~。

    あら、地どりが有名なの?
    それは是非連れて行って頂きたいものですわ。
    来週の土曜に話しましょう。(笑)

  9. 一読一会に行ってきた。

    11/5 13:00?? 日本科学未来館にて

    「一読一会」??縮まってゆく私と本とあなたの距離

    に参加してきました。
    え、一読一会ってなんだかって…

  10. 一読一会

    5日、日本未来科学館で開催されたイベントに行ってきました。
    結局学校があったので30分遅れての到着。
    よりによってこの土曜に授業があるうちの学校も、週休二日…

  11. […] しっかりして欲しいわ、毎日。 うちのちびだって《イ507》って覚えてましたよ。 こんなイベントだってやってたのに。 […]

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